朝焼けと夕陽、たなびく雲と霧が九份の最も魅力的な風景です。台北での全てを投げ捨てて燦兄さんを九份に住むようにさせたものとは一体何だったのでしょう。
友だちの絵はがきにあったあの美しい風景を探しに私も九份にやって来ました。山々を回るとあの美しい海と山が私の目に飛び込んできました。そうです。九份の美しい風景のすべては旧市街から遠くない、喜来園景観民宿の中にあったのです。
「ハロー!こんにちは!」門を開けて私を迎えてくれたのは輝くような明るい笑顔でした。燦兄さんの地元の人ならではの人間味が今でも忘れられません。バーカウンターで忙しくしていた燦兄さんは、私が手にしていた絵はがきを目にすると、熱心に挨拶をして、椅子に座るよう促しました。燦兄さんとの話の中で、絵はがきの写真は全て燦兄さんが撮影したものだということを知りました。このような出会いによって、私は燦兄さんのレンズが捉える美しさから九份の物語を知ることができたのです。